オーストラリアで起きていることを気にし始めた

私達夫婦がウォンバットを知って間もない頃は,日本にいるウォンバットや動物園のことが分かれば十分と考えていました。ところがいろいろ勉強していくと,オーストラリアから日本へやってくるウォンバットは輸出規定上すべて「飼育下で生育した個体もしくは人に育てられた孤児」であり,現実には飼育下での出産は珍しいためほとんどが孤児出身だということを知りました(これは各動物園で紹介されている成育歴を見てもおぼろげに想像がつくところです)。孤児ということは,交通事故等に遭った母親のお腹の袋の中から救出された生後間もない赤ちゃん(pinkie)か,付近をさまよっているところを保護されたもう少し年長の子ウォン(joey)ということになります。

それら孤児に対して保護団体が日々苦労を重ねて野生復帰プログラムを施しており,それでもどうしてもヒトから離れたがらない,あるいは野生の生活に耐えられない個体が動物園に引き取られていくことがある。そしてそういう動物園から,ときにはるばる日本の動物園にやってくるウォンバットがいる。自分たちが日本で可愛がっているアイドルウォンたちと,オーストラリアで轢かれた母親の袋から救出され懸命に育てられている孤児ウォンたちが,はっきりと一本の線で繋がりました。

もともと注目していた Sleepy Burrows のことをじっくり調べてみた

数ある保護団体の中でも私たちが以前からフォローしていたのが Sleepy Burrows Wombat Sanctuary でした。この人たちを,そしてここのウォンバットたちを支援したいと強く考えた決め手は,この団体の活動の真摯さ,ごまかしのなさ,そして将来性でした。

当初は可愛いウォンバット動画をアップロードしている団体という程度の認識だったのが,少し調べただけで,とても生半可では済まない質と量の活動を行っていることが分かってきました。ごく普通の一夫婦が私財をなげうって設立した大型の保護施設であり,ウォンバットのサンクチュアリとしては最大規模ですが,そのためより小規模のケアラーから個体を引き取ることも多く,寝る間を惜しんでのケアでも追いつかないのです。設備の維持だけでなく増築拡大が必要な状況は長く続いています。干ばつ・ロードキル・行政当局との対立など,実際の保護活動の過酷さはブログやニュースレターでも包み隠さず詳らかにされているとおりです。

活動内容は保護だけに留まりません。オーストラリアのウォンバットを脅かし,タスマニアでは地域絶滅まで引き起こした疥癬に対しても,Sleepy Burrows は新しい角度からアプローチしています。従来は薬剤(CydectinやIvermectin)を振りかけることでヒゼンダニを駆除できるとされており,Burrow Flap 法を含むこれらの試みを Sleepy Burrows も否定してはいませんが,長期的な効果が不明で治癒後の再罹患率が高いのではないかという懸念がこの方法の問題点だといいます。Sleepy Burrows のアプローチは,クイーンズランド工科大学と共同で開発・実証している「巣穴病棟」です。昨年 GoFundraise でこの巣穴病棟をフィーチャーしたキャンペーン(以前の投稿で翻訳紹介したもの。現在は期間終了。)を行ったり様々なメディアに登場する機会を得たりしたことで,ただ動物を保護飼育しているだけの団体ではないということがより広く知られるようになりました。今や寄付者たちの多くは「この団体に投じる寄付には単なる餌代以上の意味がある」という特別な気持ちで募金に応じているようです。

私たちもそこに加わりたい。私達の寄付も,そのまっすぐな思いの実現のささやかな一部に,ウォンバットが疥癬で苦しまない世界のほんの一部になって欲しい。そう思わずにいることはできませんでした。これが,私たちが月ごとの定期寄付先に Sleepy Burrows を選んだ経緯です。

日本から寄付する方法(2019年6月現在)

Sleepy Burrows へのスタンダードな寄付形態は「ウォンバットコーヒークラブ」と称するものです。毎月一回,ウォンバットたちとコーヒーやマフィンを楽しんだつもりで一口10ドルの寄付を行うという趣旨で,お礼にニュースレターなどを配信しています。この寄付のおかげで,受け入れるウォンバットの数に「上限」を設けずに活動を継続できていると団体のサイトは記しています。

Sleepy Burrows Wombat Sanctuary のウェブサイトからリンク GOFUNDRAISE SleepyBurrowsWombats をクリックすると,GoFundRaise のページが現れます。 Donation_03 GoFundRaise にアカウント登録していない場合,アカウント登録を促す画面が出るかもしれません。登録しなくても寄付自体はできるように見受けられますが,私はアカウントを設定しました。Eメール・パスワード・生年月日・氏名を入力して初回登録するか,代わりに Facebook アカウントでログインすることができます。 Donation_02 GoFundRaise の Sleepy Burrows ページに無事アクセス出来たら,「❤ Donate」をクリックするとポップアップで以下の画面が現れます。 Donation_04 黄色い蛍光マーカーの上から順に,寄付したい金額(オーストラリアドル),一回のみ(One Time Donation)か定期寄付(Recurring Donation)か,個人(Individual)か組織(Organization)か,氏名,Eメールアドレス,居住地, Donation_06 クレジットカード番号,有効期限をMM/YY形式で,3ケタのセキュリティナンバー,そして承諾事項にチェックを入れて最後の DONATE のボタンをクリックすれば次へ進みます。 Donation_05 ※Recurring Donation(定期寄付)を選んだ場合,週ごとか月ごとかといった頻度と,初回のスタート日を設定します。 Donation_07 寄付が完了すると Thank you for making a difference! というメッセージのページが表示されます。 Donation_08 メールにPDFのレシートが届くので,間違いなく寄付が完了したことを確認できます。

その後の Sleepy Burrows との関わり

「ウォンバットコーヒークラブ」に参加して「ウォンバサダー」になると,隔月1回のニュースレターが届きます。このニュースレターについて Donna さんははっきりと「FacebookやYouTubeでは不特定多数のみんなが見たがるようなウォンバットたちのカワイイ姿を流すけれど,きちんと現実に向き合い真実を知りたい人のための情報はニュースレターで届ける」と述べています。

ウォンバサダーは年に1回,サンクチュアリを訪れることができます(要事前予約・必ずしも希望に添えるとは限らない)。私達も貴重な訪問の機会を得て,さまざまなことを学びました。

また,ウォンバサダーを続けて1年が経つと,お礼のプレゼントが届きます。当初コーヒークラブはオーストラリア国内の寄付が主体だろうと思い込んでおり,プレゼントが届くといっても日本までは郵送してくれないだろうと考えていました。ところがその後いろいろ話を聞くと,実は外国からの寄付が中心とのこと。実際,寄付を始めて1年目には,国際郵便で可愛いマグネットシートとお礼のカードが届きました。 IMAG0100[1] IMAG0101[1]

余談ですが,寄付が特に多いのはアメリカとドイツからだと伺いました。もちろんどちらの国にもウォンバットを飼育する動物園がありますが,この話を聞いたときは,まったく引けを取らない豊富な飼育実績のある日本の名が挙がらないことに口惜しさと申し訳なさの入り混じった複雑な気持ちを抱きました。寄付文化の違いやキャッシュレス化の遅れ,言語の壁など様々な原因が推測できますが,「オーストラリアのウォンバットのために何かできないか……」と考えている人が日本にもたくさんいることは揺るがぬ事実です。その橋渡しを少しでもできないか,という気持ちで今回のこの記事を執筆しました。この記事が少しでも多くのウォンバットファン,そしてウォンバットの助けになればと願っています。