うぉんばっとのぽっけ

国内や豪州のウォンバット・ウォッチング、写真や動画、英文情報の和訳紹介。

2018年4月14日・15日の「春の動物園まつり」に参加してきました。

1日目・長野駅から電車&ZOOぐるバスでGO!

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高速バスで早朝に長野市入りし,市街地近くの日帰り温泉で体を温めてからいざJR長野駅へ。
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目的地の篠ノ井駅ではSUICAやPASMOは使えません。200円の切符を買います。
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開園に合わせて到着する始発の「ZOOぐる」バスに間に合うためには,しなの鉄道線8時44分長野駅発の小諸行きに乗車します(※あくまで当日のダイヤです)。
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手動で開けるドア。
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車窓からの眺め。長野→安茂里→川中島→今井→篠ノ井の順に停車します。茶臼山が見えてくるかな……?
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篠ノ井駅到着。バスで動物園まで行く場合,確実に食事を買えるのはこのコンビニが最後。とはいえ園内の売店にはパンも売っているし,繁忙期にはキッチンカーが営業しているようです。
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温かい立ち食いソバのスタンドもあります。駅舎内にいい匂いを漂わせてくれています。
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篠ノ井駅前と茶臼山動物園を直結する「ZOOぐる」バス。春の動物園まつりから11月までの運行です。冬場はタクシーや自家用車(もしくは徒歩!)など別の交通手段を考える必要があるので,茶臼山動物園ファンとしてはこのZOOぐるの運行開始が毎年待ち遠しい!
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長野マラソン・長野車いすマラソンと同じ週末に出かけたので,市街地では道路が滞っており,この土日の高速バスの予約はほとんど埋まっていました。
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コインロッカーあり。
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西口の階段を降りると,ZOOぐるのバス停があります。
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ツーショット。

1日目・「ウォンバットに大接近」イベント史上最大の人気に

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以前よりもモモコ作の巣穴が伸びていた。本人が中に入ると体がすっぽり尻が見えなくなる深さ。
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これはイベント前のモモコ。お仕事前に青草むしゃむしゃ。
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地面に落書きしていいゾーンが出現‼ ユウトが描いた矢印付きモモコ。「モモコはこっちですよ」
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いよいよイベント‼ 飼育員さんが言うにはイベント始まって以来の集客らしい‼
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みんなの前を雄大にのしのし歩くモモコさん。
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人気者は忙しいわ。
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こんにちはみなさん! 私はオーストラリアのNSWから来たモモコ! 豪州ではベスティって名前だったの。
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長いスロープで匂いを確かめながらみんなの前をお散歩。
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くんくん。
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上から匂いが? 音もするなあ? 私にお話しかけたかしら! と急に立ち上がるモモさん。
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大好きな飼育員さんの腕にかみかみしてコミュニケーション!
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かみかみコミュニケーションで伝えたかったのはレーズンくれ! だったのかな?
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いいお味のレーズンとナッツ!
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お腹を満たし足のアーチを通り抜け皆さんのところへ。
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しかし! 好きな人のところへすぐに行ってお客さんの前で飼育員さんといちゃいちゃ。
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帰りたそうにバリケードへ。
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通りたい……。
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通せんぼされた。
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ぐぬぬ。
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「仕方ないからこれであそんじゃうわ」と言う感じでレシーバーをかみかみ。
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あら! こんにちはお嬢さん、通して下さる?
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こうして一日目のモモコさんのお仕事は終了。お疲れ様で御座います。
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誘導されつつ自分のお部屋へ。
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お仕事後の休息に美味しいごはん! フランスパンの似合う女モモコ姉さん。
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フランスパンは一瞬で食べ終わり青草タイム。
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むぐむぐ。
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食後のひと掻き
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からの再びの食事。
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そしてかきかき。
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そんな一日目、Twitterで仲良くして下さっているフォロワーさんにお会いできて嬉しかった~。
みんなでうぉん談義は最高でした。東京ウォンバットオフ会開催予定。興味のある方は,募集開始したら気軽にお声がけ下さい。

2日目・自動車ルート~モノレールで北口から入園

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初めていつもとは違うモノレール側入り口から入園! モノレールも初めて乗ります。
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モノレールは広く、乗車中は長野高校吹奏楽部の演奏が流れていました。
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お出迎えのお写真はスミレさん。
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登り切った場所から見える善光寺平の眺望。
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入ってすぐのかわいい案内図。

2日目・雨も上がって大接近再び!

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二日目も大盛況!
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可愛いモモコさんに会いにこの日も多くの人で賑わいました。
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飼育員さんがウォンバットのお尻の固さについて説明していました。
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美味しいものプレゼント作戦についついつられるモモコさん。
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みんなに撫でられながら美味しくナッツをもぐもぐ。
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そして私もモモコさんに大接近! 幸せ!
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別の角度からも撮影。
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とにかく飽きると自力で帰ろうと足早にバリケードへ。
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昨日と同じく頑張った彼女は立派なフランスパンを食べていました。そして体をかきかき。
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お腹もいっぱいで眠そう。
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今回二日間で沢山の人に会ったモモコさん。本当にお疲れ様でした。モモコさんのおかげで、二日目もフォロワーさんにお会いできてすっごく嬉しかったです。こんなに愛くるしいモモコに会えるだけでも幸せなのに、それを共感できる仲間と一緒にウォンバットに会う事がこんなに幸せだとは想像もつかなかったです。
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そして飼育員さんやみなさんに感謝をしながらこれからもうぉん活して行きます! またウォンバットの居るどこかでお会いしましょう!
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4月14日,茶臼山動物園の「春の動物園まつり」で丸一日モモコの可愛さを堪能した帰り,実はずっと楽しみにしていたある場所を訪ねてきました。

長野市安茂里にあるカフェ&バー Flappy's Cafe です。

長野市街から茶臼山動物園までの経路上に位置し,オーストラリア人と日本人の夫婦が経営しています。「茶臼山動物園の帰りにここへ寄ってオーストラリアのお話を聞いてみた」という,このブログには珍しい飲食店の探訪記です。以下,お酒を頂きながら聞いた内容なので覚え違いがあったらご容赦ください。

安茂里駅から歩いて10分ちょっと,目当ての建物が見えてきます。

お店サイトより

可愛らしい外装。ご主人の Curtis さんのお話では,買い取った中古物件をリノベーションしてカフェ&バー兼幼児向け英会話スクールとして開業したとのこと。店名になっている Flappy というのは,オーストラリアのテレビ番組か何かの登場人物で,カモノハシのキャラクターらしいです。ちなみにウォンバットのキャラクターもいるのか尋ねたところ,「ウォンバット」という名前のウォンバットが登場するとのこと(なんじゃそりゃ)。

奥様のクミコさんのご親戚がリフォームした店内は本物のブーメランやカモノハシのお人形を始め,オーストラリアグッズに溢れていました。

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うちのウォンバットちゃんも混ぜて頂き,店内のオーストラリアンアニマルズと記念撮影‼ 流石ウォンバット。違和感ゼロ。
実は事前の下調べが甘く,土曜日は予約制でこの日はもともとお店を開ける予定ではなかったそうなのですが,私たちが東京からやってきたと聞くや「ランチメニューでよければ」と特別にお店をオープンしてくださったのです。(次からは必ず事前予約を入れます!)

グリルチキンやアボカド乗せチップスなどランチメニューからおすすめをサーブしてくださり,ビールやワインで頂きました。Curtis さんの各国でのシェフ歴を惜しみなく活かした多国籍メニューはどれも美味しく,お酒の進みも最高。幼児英語教育から長野駅に出たクマの話まで,いろいろな話題に花を咲かせました。もちろん Curtis さんは茶臼山動物園にウォンバットがいることをご存じで,日本のウォンバットの飼育頭数が激減していることや国内になかなかの数のウォンバットファンがいることなど,ウォンバットークも盛り上がりました。

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オーストラリア人の Curtis さんと日本人の奥様クミコさん。とても気さくにお話して下さいました(英語で)。

カフェ&バー Flappy's Cafe は国道19号線沿い,JR安茂里駅から徒歩10分強。茶臼山動物園帰りのディナーにこれ以上のロケーションはないでしょう。

こんにちは。中の人二号=ユウトです。
茶臼山動物園のスミレが亡くなり,妻と献花してきました。初めて見た本物のウォンバットでした。ありがとう。安らかに眠られますよう。
スミレを思い出しながら,黄色いウォンバット本 How to Scratch a Wombat を読んでいく連載『ウォンバットの撫で方』第7回を進めていきたいと思います。今回は第四章 "A Day in the Life of a Wombat" です。

ウォンバットの寝床

「ウォンバットの一日」というタイトルのチャプターですが,日中は寝て暮らす夜行性のウォンバットライフ。実は大半「ウォンバットがどう寝ているか」という話をしている章です。ふつう,穴ぐらにはいくつか部屋があり,乾いた砂や土,枯草やシダでベッドが作り付けてあって,温度や湿度が一定なので天候にかかわらず快適です。野生のウォンバットは日の出とともに穴ぐらへ戻ると,ベッドメーキングさながら,寝床の土をほじくって柔らかくしたり掘り直したりすることもあるようです。そこで心地よいポジションを見つけると,尻を地面につけてウトウトし始め,ゆっくり目が閉じて体温が下がっていきます。体勢が低くなってきて,ついに頭を地面に預けてフルフラットになるとおやすみモード。
そして,日本のウォンバットファンの皆さんにぜひ見ていただきたいのがこのイラスト。
ぐっすりウォンバット
五月山動物園でもそっくりのポーズで寝てると話題です。(ウォンバットてれびよりキャプチャ。もっと良いポーズが撮れればよかったのですが。)
フクくんの寝姿
これは個体特有の現象というわけではなく,熟睡している証拠なのだそう。 How to Scratch a Wombat では次のように説明されています。
After an hour or more, the wombat rolls over onto its back, with its legs up in the air―the back legs straight up, and the front legs bent a bit. When a wombat is in this position, it is very, very sound asleep. In fact, sometimes it's in such a deep sleep, it is impossible to wake! 一時間もすると,ウォンバットは寝返りを打って足を空中にもたげ,後足はピンと伸ばし前足は少し曲げたような姿勢になります。ウォンバットがこの姿勢のとき,とても,とてもぐっすり寝ています。実際,時には熟睡しすぎて起こせないほどなのです。(後段拙訳)
穴ぐらの中で天敵の心配もなく,腹を見せてリラックスしているということでしょうか。動物園のウォンバットでも同じようにリラックスできる環境というのは素敵だと思います。

くしゅんバット「スニーズィ」

ジャッキーさん宅のバスルームの裏に穴を掘って住んでいた「スニーズィ」は,花粉症でくしゃみばかりしている珍しいウォンバットでした。ある朝,まさに「熟睡ポーズ」でドアマットの上に寝ているスニーズィを見つけたジャッキーさん。足でつついて起こそうとするも起きません。かがんで確かめてみると,息をしていないではありませんか!
体も固く,心拍も感じられないことに気づいたジャッキーさんは悲鳴を上げます。くしゃみばかりしていたのは肺の病気だったのかも……その朝たまたま一緒に朝食を取ることになっていた獣医がやってきて,スニーズィをテーブルに乗せて調べてくれましたが,原因は分かりません。
悲しいですが仕方ありません。果樹園にお墓を掘って,スニーズィを穴の中へ寝かせました。……すると,スニーズィは起きて目をぱちくりさせ,自分の巣穴へ戻るといつものようにくしゃみを始めたのです! ウォンバットはこのように,獣医ですら判別できないほど深く眠ることがあるのだそうです。こうなると,大人二人がかりでテーブルに持ち上げようが起きない。スニーズィほど熟睡する例はさすがに稀なようですが,野生の動物がこんなに無防備に眠るというのは興味深い限りです。

穴ぐらと体温調節

ウォンバットにとって熱は命とりです。夏の暑い日は,10分間外気にさらされるだけで死に至ることもあります。冬場は日の光を浴びに出てくることもありますが,乾燥した空気に当たり続ければダニによる疥癬にかかり,目が見えなくなったり耳が聞こえなくなったり,はたまた死に至る場合も多いのです。ウォンバットの穴は寝床であるだけでなく,体温調節のための重要な仕組みなのです。
干ばつの時期や,牛・羊に牧草を食べつくされてしまったとき,太陽に当たる危険を冒して外に出てくるウォンバットがいます。残念ながらそういうウォンバットは,飢えか熱か疥癬で遅かれ早かれ命を落とすそうです。一方でジャッキーさんの住むアラルーアン渓谷のような谷間では,山肌に日光が遮られるため,夕方からウォンバットが安全に活動するのが見られます。
野生のウォンバットは夕方になると穴ぐらの入り口付近まで出てきてそこで再び居眠りをしますが,これはぐっすり寝ているのではなく,気温や光量や匂いを観察して機をうかがっているのだといいます。夕方から夜にかけ,お腹のすき具合に応じて穴から出かけ,草を食べ,腹を掻き,ふんを撒きます。これこそがウォンバットの大切な日課。夜行性動物の本当の「一日」は,これから始まるのです……。
さて次回は,第五章 "Wombats Essentials" へと読み進めます。それでは!

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